カナダの州

国としてのカナダ

カナダは、イギリス連邦（Commonwealth of Nations）の加盟国であり、イギリス連邦王国（Commonwealth realm）の1国で、連邦立憲君主制の国家です。

正式には、エリザベス女王が国家の元首（カナダ国王）ですが、形式的には総督（Governor General of Canada）がカナダ国王の代理を務め、総選挙により選ばれる連邦政府の首相が実質的な国としての首長となります。それぞれの州には副総督も派遣されています。

行政

カナダ政府は議院内閣制で、行政権は首相及び内閣がこれを行使します。

立法

立法権は、カナダの連邦議会（国王、上院、下院）が持っています。

立法府である議会はオタワにあり、カナダ議会は上院定数105名、下院定数308名の二院制です。

主な政党としては、二大政党であるカナダ保守党（Conservative Party of Canada）と、カナダ自由党（Liberal Party of Canada）のほか、新民主党、ブロック・ケベコワ、カナダ緑の党等があります。

司法

カナダ最高裁判所（Supreme Court of Canada）がカナダにおける最高法廷（日本の最高裁判所にあたる）です。

最高裁判所にはカナダ総督によって任命される判事が9名おり、主席法官（最高裁判所長官、Chief Justice of Canada）の下で勤務する形態をとっています。

カナダには死刑制度はなく、最高刑は終身刑。隣国アメリカ合衆国よりもリベラルな国民性で知られていますが、銃の規制は厳しく、銃を携帯できるのは警察、軍、司法関係と現金輸送を行う一部の民間業者などに限定されています。

カナダの州

カナダは、アルバータ州（州都エドモントン）、ブリティッシュコロンビア州（同・ビクトリア）、マニトバ州（ウィニペグ）、ニューブランズウィック州（フレデリクトン）、ニューファンドランド•ラブラドール州（セントジョンズ）、ノバスコシア州（ハリファックス）、オンタリオ州（トロント）、プリンスエドワードアイランド州（シャーロットタウン）、ケベック州（ケベック）、サスカチュワン州（レジャイナ）の10の州（province・プロビンス）と、ノースウェスト準州（イエローナイフ）、ユーコン準州（ホワイトホース）、およびヌナブト準州（イカルイト）の3つの地域（territory・テリトリー）で構成されています。

州と準州の違い

州と準州の違いは、連邦政府との関係性です。基本的に、州政府と連邦政府は対等の関係で、州に大幅な自治権が認められており、各州に首相、内閣及び議会があります。憲法（「1867年-1982年憲法法」）によりその権限については定められている一方で、準州は連邦の直轄領とされています。連邦議会が制定した連邦法に基づき、連邦政府のコントロール下で、それぞれ自治権が認められているという形になっています。